かねチャンの旅行記

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Journey of self-discovery

【高山病とは?】高山病経験者が語る、症状/原因と対処法

こんにちは、かねたかです!

登山前の準備と言えば、どんな準備をイメージしますか?

「帽子、着替え、レインウェア・・・」

 

しかし、上記のような「持ち物」だけではなく、

登山道の歩き方を始めとした、

「登山知識」の準備も忘れてはなりません。

 

「高山病」もその一つ。発症すると、非常に苦しく、すぐに治るものではないため、

せっかくの楽しい登山が台無しになりかねません。

 

そこで、私が過去に2度高山病を体験(富士登山/海外登山時)したことによって分かった、

登山前に知っておきたい、高山病の症状/原因と対処法」について、

実際に効果のあったものだけをご紹介します!

これから私と見ていきましょう!
(この記事は、約5分で読み終わります。)

 

■目次

|高山病とは

 ・症状

 ・原因

|高山病って実際どう?辛い?すぐ治る?

 ・事例1:8合目の山小屋宿泊 in 富士山

 ・事例2:4時間で4600M登頂 inメキシコ

 ・なってからでは遅い!未然に防ぐ高山病チェックポイント

|もし高山病になってしまったら?

 ・深呼吸をする

 ・水分をよく取る

 ・頭痛薬を飲む

 ・標高の低い所へ降りる

 ・横にならずに座る

 

 

|高山病とは?

・症状

頭痛

疲労・脱力

めまい・ふらつき

食欲がない、吐き気

睡眠障害(熟睡できない)

 

・主な原因

血液中の酸素不足

標高が高くなると気圧が低くなる事が原因で、いつもと同じように呼吸していても血液に取り込める酸素の量が減ってきます。富士山の頂上では平地の気圧の2/3となり、体内の酸素量は1/2となります。酸素不足が生じると換気の回数が増えるなどの反応が起こりますが、その適切な反応ができない不適応現象のことをまとめて急性高山病といいます。

(引用:高山病の原因と症状。その予防と対策。)
https://www.camp-outdoor.com/tozan/firstaid02.shtml

 

また、高山病は一部の人に現れる症状であると言われています。

つまり、過去の登山でならなかった人は、その後もなりにくい傾向にある一方、なったことのある人は、その後の登山でもなりやすい傾向にあるということです。

残念ながら、その原因は科学的には証明されていないようです。。

 

しかし、登山に限らず、旅行中などに慣れない高所に行くと、発症する可能性もあります。

例えば、南米のマチュピチュは標高2430mであり、

また、スイスの氷山を巡る登山鉄道は標高3000m以上の所に位置します。

そのため高山病は、登山や旅行好きな人は必ず知っておきたい症状と言えます。

マチュピチュ

世界遺産マチュピチュ(標高2430m)

 

 

|高山病って実際どう?辛い?すぐ治る?

高山病とは何であるかはわかったかと思いますが、

実際に高所へ行き始めると、

どうしても頂上からの景色を見たいがために、

「自分はまだ大丈夫。」と思いこみ、登り続ける人が多くいます。

 

例にもれず私もその一人でありましたが、

その結果、高山病になり辛い思いをしました。

そこで、実際に高山病になってどのような症状がでたのかと、

なるまでの過程を2つの事例とともに紹介します。

 

・事例①:8合目の山小屋宿泊 in 富士山

 

■登山の概要

1つ目は、2018年9月6-7日、富士登山でのことでした。

頂上からのご来光を見るために、

1日目は頂上近くまで登り、翌朝頂上に行くという、一番人気な行程でした。

この時は、友達8人とバスツアーで5合目まで行ったため、それ以降の各合目での状態をお伝えします。

 

 

■5合目(標高2305m)での状態

富士山5合目


高所慣れをするために、5合目で1時間滞在。

この時は、空気の薄さを感じることはありません。

 

■6合目(標高2390m)での状態

なだらかな道を約50分歩き、6合目に到着。

ここで初めて、地上よりは空気が薄いことに気が付きますが、体調には全く問題はありません。

 

■7合目(標高2700m)での状態

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6合目からはいよいよ登山らしくなり、

尾根に連なる岩々を登ってゆく。

約80分かけて7合目に到着。

 

少し足が疲れ始めるものの、まだ空気が薄いことは問題なし。

 

■8合目(標高3020m)での状態

約120分かけて8合目到着。

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ここで初めて、足の疲れ以上に、酸素が薄いことが問題になりだす。

普通の呼吸だと、酸素が足りず苦しいため、深呼吸をする。

そうすれば、問題なく歩き続けることができるレベル。

 

 

■本八合目(標高3360m)での状態

<到着直後>

1日目のゴール地点、本八合目の山小屋に到着。

着いてすぐ夕食だったため、中に入って椅子に座ると、
急に体全体のだるさを感じ始めた。

食欲もあまりわかず、
少なめのカレー1人前を食べきるので精一杯。

山小屋で出されるカレー


 

<夜>

20:00消灯、翌朝2:30からの再出発に向けて疲れを取る。

しかし、1時間横になっても寝付くことができない。

 

<AM2:00 起床>

結局2:00の起床までに4-5回目覚め、
ぐっすり眠ることができなかった。

そして起床とともに、初めて吐き気を感じる。
すぐにトイレに行き嘔吐する。

ここで初めて、高山病であることを自覚した。

 

もちろん、頂上に行くことは諦めた
(この時は悪天候で友達も頂上に行けず)。

その後、高山病の症状と対処法について調べ、下記のような対処をする。

・友達に、頭痛薬(バファリン2錠)をもらって飲む

・寝っ転がらずに、壁に腰かけて楽な態勢で座る

・ゆっくりと深呼吸を繰り返す

・できるだけ水を飲む(ただ座っているだけだが、1時間で500ml以上は飲んだ)

 

1時間、深呼吸と水分補給をひたすら繰り返すと、呼吸は落ち着いてきた。

そして、AM4:00再び寝る。

 

<AM7:00 起床>

今度は、ぐっすりと寝ることができた。

また、頭痛はほとんど感じないほどにまで回復した。

食欲もあったため、朝食の弁当を食べて、下山をする。

 

■下山中(本八合目~5合目)

7合目あたりまでは、少し空気の薄さを感じていたものの、頭痛、だるさなどの高山病の症状は全くなし。

初めから最後まで、高山病であったことを忘れたかのような元気さで下山した。

 

 

・事例②:4時間で4600m登頂 inメキシコ

 

■登山の概要

2つ目は、2017年2月5日、バックパックで訪れたメキシコ登山時の出来事。

首都・メキシコシティから車で3時間のことろにある、メキシコ4番目の高さを誇る山(トルーカ山)に、メキシコに駐在する登山好きな方と日帰りで登ってきました。

 

メキシコシティは標高が高い場所にあり、標高2000mのところに位置します。日本でいうと、富士山5合目にあたりますね。

シティから山の4100mのところまでは、車で行くことができ、
そこから、約1時間半の登山を経て、頂上の4620mに登頂します。

 

メキシコシティ(標高2000m)での状態

まずメキシコ到着時に遡るが、飛行機から降りると、すぐに空気が薄いことを感じた。

今回の登山は、メキシコ到着から2日目の出来事。そのため、まだ標高2000mにも体が慣れていない状態であった。

 

■標高4100mでの状態

空気は薄かったものの、それ以上に美しすぎる景色に夢中で、全く気にならなず...

20分ほどの滞在で、さっそく登山を開始。

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■登山開始から頂上(標高4620m)までの状態

一歩足を滑らしたら、下まで落ちて死に至るような山肌を、手を使って登るイメージ。

4400m付近では、かなり体力を消耗した上に、空気が非常に薄く、すでに軽い頭痛を感じ始めた。しかし、残り200mまで来て下山するのは、悔しかったので、引き続き登り続けた。

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▲画面中央よりやや右の、最高峰が目標地点

 

そして頂上到着時には、かなりの疲れがあり、また頭痛も悪化。
これから下山することが、全く考えられなかった。

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 ▲頂上での渾身の作り笑み。。メンタルは既に死んでいる。

 

■下山開始から登山開始地点までの状態

すでに足が棒であり、体のだるさを感じた状態で下山開始。

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この時期は、まだ雪が融けきっておらず、
そこに足を滑らした瞬間は「やばい!死ぬ。」と思ったが、

間一髪で一緒に登っていた方に腕をつかんでもらい、なんとかセーフ。
約1時間、必死の思いで下りきった。

 

■登山開始地点からメキシコシティ(標高2000m)までの状態

車に乗って、メキシコシティまでの帰路につくものの、
10分して吐き気を感じ始めた。

すぐにトイレあるところで車を止め、嘔吐した。

その後昼食でメキシコ料理を食べるものの、食欲はわかず、普段の半分ほどの量しか食べることができなかった。

 

 

・なってからでは遅い!高山病を未然に防ぐチェックポイント

 

<登山前>

水分不足にならないこと

持ち歩く分と、足りなくなった時に買える場所を確認しておきましょう。
山の自動販売機は高いので(水500mlペットが400円程度)、100円玉は多めに持っておきましょう。

無理な行程を組まないこと

ハイペースだと消費する酸素量が多くなります。遅いくらいのペースでスケジュールを組み、必要とする酸素量を減らしましょう。

携帯用酸素を持つこと

登山中に利用することで、酸素を確保でき、未然に防げるケースがあります。

使っていた友達は、軽い頭痛だけで症状を抑え、使っていない私よりも断然楽そうでした。

頭痛薬を常備すること

万が一、高山病になった時にもっていると、一時的に頭痛を和らげることができます。

日頃から、運動すること

ジョギング、ウォーキング、サイクリングなどの有酸素運動は、心肺機能を向上させます。

それにより、呼吸筋を発達させることができ、体内への酸素を取り込みやすくします。これは、低酸素環境において非常に有効です。

 

 

<登山中>

・空気が薄く、いつも通りの呼吸では苦しい?

・どんなに軽くても頭痛を感じている?

 

一つでも当てはまる人は、そのまま登り続けると高山病になる可能性が高くなります。

下山をして、未然に高山病を防ぎましょう!

 

 

|もし高山病になってしまったら?

それでも、もし高山病になってしまったら、どうすれば良いのでしょうか?

実際に効果のあった、高山病を和らげるための方法をご紹介します。

 

深呼吸をする

とにかく大げさなくらい、空気を吸い込み、少しでも多く酸素を摂取しましょう。

水分をよく取る

水(H₂O)は血液中の酸素(O₂)を運ぶ役割があります。

私は、上の深呼吸をし、1時間に約500mlをこまめに飲むことで、酸素不足を解消することができました。

頭痛薬を飲む

一時的に頭痛を和らげてくれます。頭痛のないタイミングで下山しましょう。

標高の低い所へ降りる

酸素の濃い、標高が低い所へ行きましょう。

運動後は立ち止まらず、あたりを歩き回る

体を動かしている方が、酸素を体内に取り組みやすくなります。

横にならずに、座る

疲れを取ろうと思って、横になると、酸素の摂取量が低くなり、かえって辛い状態になります(特に私の場合は、寝たことで、意識して十分な酸素を取れず、起床時には寝る前よりも苦しい状態になりました)。

座って足を延ばすくらいにして、酸素の摂取量を確保しながら、疲れを取りましょう。

 

 

|まとめ

高山病の症状と、その原因、対処法を紹介してきました。

高山病は発症してしまうと、

非常に苦しく、また、すぐに治るものでもありません。

あらかじめ十分な対策をして、

存分に登山を楽しんで下さいね!

いつもありがとう。