かねチャンの旅行記

”こんな世界もあるんだな”をお届中

Journey of self-discovery

大学時代の転機 #5「2度目の長期インターン」【学生最後の日に思うこと。】

大学時代の転機、5つ目。最後になるでしょう。

5. 2度目の長期インターン

ここが、過去の挫折経験から這い上がり切れた場所であり、自信へとつながる経験を積んだ。そして、将来やりたいことと、僕の生きるミッションを考え抜けた場所である。

大学3年次の冬。就職活動を始めだす人が増える時期だ。その時僕は、将来やりたい、確固たる夢が定まりきってはいなかった。また、やりたいことを行動に移すために運営を取り組んだ、セブ島スタディーツアーは翌年3月に控えていた。そのような状況であったので、私はやりたいことを見つけるためにーそれはつまり、就職したいと思う業界、企業を見つけるためにでもあるー、一年間休学することを決意した。

何をするかは具体的には決まっていなかった。ただ、ここで就活をしても、やりたいことが定まっていないので、”後悔ない人生”を歩める自信がなかったからだ。今ツアーを運営している団体で他の企画を始めるか、それとも、どこかでインターンをするか。いずれにせよ、ブラしたくない軸があった。それは、「観光」だった。非日常体験を届けたいという想いがあったのはもちろん、高校時代から”ある縁”を感じていたからだ。それは、大学受験時に、ある大学の”観光学科”を受験していたことである。受験校を考え出す高校3年生の夏、その学科を受験しようと思った深い理由はなかったが、「観光学科って、旅行だよね。楽しそうじゃね?」と思ったのが始まりである。あいにく観光学科には落ちてしまったのだが、その後東南アジアに行き、自分の原体験が「旅」になると、「観光」との縁を感じていたのだ。だから、観光という軸はブラしたくなかったのがある。

そこで、観光系のインターンや、イベントを探していると、興味深いイベントを見つけた。2月に神戸で開催される、インバウンドに関するセミナーであった。一度お会いしたことのある方が登壇するということだったので、会ったら何かチャンスを掴めそうな気がした。「これは行くしかない」と思った。神戸行きのバスをとった。

するとセミナー当日、ある社長にお会いする。話した内容で覚えていることは、”インバウンド系の会社を経営し”ていて、なんと偶然、”僕の大学の卒業生”だということだった。さらに、”会社拡大に向けて、インターン生を募集している”ということだった。「なんてことか!!!」安くないセミナー参加費を払ってまで、参加した甲斐がもうあったではないか!帰ってすぐにお礼を送り、話を聞きたいとアポをとった。

1ヶ月後お会いして、どんなことをしている会社か話を聞き(インバウンド向けのSNSマーケティング企業)、自分もインターンを探していると話した。その後、過去の話(ゼミや、インターンセブ島ツアー)を色々した。特に、”これができる”といった尖ったスキルはなかったが(ビジネス的な視点がわかって、パワポーイントでビジネス資料が作れるくらい)、インターン生として採用して頂けることが決まった。恐らくは、自分の社交的な人間性と、人の良さ(これは後になってわかるが、「いい人」そして、「馴染めそうか」が、採用の大前提であるそうだった)が大きなポイントであったのだろう。これは親に感謝です。

そんなことで、大学4年次4月から、2社目のインターン生活が始まる。ここで忘れてはならないのが、会社は設立2年目のベンチャー企業であるということだ。社員は5人、オフィスは貸しオフィスの一室で10畳ほど、僕は初めてのインターン生。文字通りのベンチャー企業(スタートアップ)であった。インターン生の受け入れ態勢は1ミリもない。インバウンドも、SNSマーケティングについての知識も0。カオスな環境に飛び込んだのであった。この時決意したことが1つあった。それは、「初のインターン生である自分が成果を出す」ということだ。社員にとっては、”インターン生=僕”という印象ができるわけである。今後の会社の成長、それにかかる人材採用(インターンの)を考えると、僕が成果を出して、「インターンっていいね」と思ってもらいたいと思ったのだ。そして、今後入ってくるインターン生のために、自分が受け入れ態勢の整備に、貢献していきたいと思った。

10畳オフィス

窓のない10畳オフィス。向こう2年で、規模拡大のため、2度移転した。

入社して、初めに担当したのは、テレアポであった。初めてのテレアポ、初めは緊張してうまく話せず、中々アポが取れなかったが、1週間すると、トークが板についてきて、アポが取れるようになってきた。その後、営業資料作成や、自社のFacebookメディア運用や、動画の取材・編集と、次々と新しいことを任せて頂けるようになった。さらにその後、Webメディアの立ち上げに関わり、さらには、新規事業のリアル店舗事業を責任者として任せて頂いた。春学期は大学の授業を取りながら週3で働き、秋学期から1年休学したので、週4で働いていた。

中でも最も印象的な業務は、自社のFacebookメディア運用であった。効果測定指標であるアクション率(アクションした数/見た人数)は、当初は7%と、平均値であった。そこから、”何をすればアクション率が上がるか要素分けし”て、”その要素の仮説検証を繰り返し”た結果、3ヶ月後には、平均アクション率の3倍以上である、25%のアクション率を出すことができた。1社目のインターンで思考力の弱さを自覚し、どん底に落ちたが、ここで出した成果は、確固たる成功体験であり、自信につながった。何よりも、ここまで這い上がることができたのが、嬉しかった。

運用していた、ファン10万人の日本旅行紹介メディア

運用していた、ファン10万人の日本旅行紹介メディア。将来見たら恥ずかしくなりそう。

さらに、ある人との出会いで持った、僕の中での目標である「社員へのオファーをもらう」も、達成することができた(これを目標とした理由は、定量的な指標で、成果を出したことを測るためだった。会社に必要とされる=成果を出している、と考えこの目標を設定した)。最終的に、そのまま就職する道は選ばなかったが、今後働く中で、インバンドへの熱が出てきたら、挑戦させて頂きたいと思います。

ここでのインターンで学んだこと(今後も活かせること)は、3つある。

一つは、「成果を出せば、チャンスがもらえる」ということだ。テレアポから始まり、その後、様々な業務を任せてもらえるようになったのは、一つ一つの業務で、成果を出せたからである。

二つ目が、「質の良いインプットをする」ということ。これは、「その分野に長けている人から、何で、どのように勉強すれば良いかを聞いて、インプットをする」ことである。僕はインバウンド、SNSマーケティング、コピーライティングなど知識0状態だったので、社内のその分野で一番上の人に、オススメの本や記事を聞いた。早い段階で成果を出せたのは、質の良いインプットをしたからだった。

三つ目は、振り返りの重要性である。社内にはインターン生の振り返り制度はなかったので、自ら振り返りフォーマットを作って、月末に埋めていた。そこで振り返る項目は、①やったこと、②学んだこと、③できなかったことと、その原因の深堀り、④次月の目標設定、である。これを通して、”できないこと”を一つ一つ、”できる”に変え、そこで得たノウハウを言語化して自分のものにしていくことができた。この振り返りは、就職してからも、続けていきたい。

細かいことを含めれば、無数に挙げられるが、ここでは重要な3つを残しておこう。

そして、デジタルマーケティングの面白さについて、3つ思ったことがある。

一つは、「結果が数字として出てくる」点である。投稿したら、アクション数が必ず数値で出てくる。そこで、仮説検証を繰り返すことで、その数値を上げることができていった。結果が数字として出てくるからこそ、”どうすれば改善できるか”をロジカルに考えられる点が、自分に合っていた。

2つ目は、「仕事とプライベートの境目がない」ことである。暇な時間、インスタグラムを見ていると、必ず広告がでてくるが、これはデジタルマーケティングの仕業。LINEも、YouTubeも、Googleも全部そう。だからこそ、プライベートと、仕事を切り離したくなかった僕にとっては、魅力的だった。

3つ目は、「変化の激しさ」についてである。デジタルは、アプリ内の新機能や、新アプリのリリース、ツールの開発などで、日々めまぐるしい変化をしている。そんな変化の激しい環境だから、飽きずに働いていけると思った。

そして、このインターンを通して、僕自身に対してわかったことが2つある。

1つは、物事の結果だけではなく、「プロセスも楽しみたいタイプである」ということだ。過去のセブ島ツアーまでは、”こういう世界観を作りたい、だからツアーをする”、という考え方であった。一方、このインターンでは、海外の人に日本の〇〇を知ってらもうという結果(ゴール)を実現した状態そのものよりも、それを実現する手段である、デジタルマーケティングにワクワクしていたことがわかった。

もう1つが、マーケティングの考え方が、僕自身の指向性にマッチしていたことである。マーケティングを勉強した中で、「マーケティングとは、物が売れるための仕組みづくり」であるとあった。なるほど、押し売りをするのではなく、”自然と物が売れてしまう(消費者が自然と買ってしまう)ような仕組みを作ること”なんだと知った。無理な押し売りが嫌いな僕は、この合理的で、かつ本質的な考え方に大共感した。この考え方が、すんなりと僕の中に入ってきた。「マーケティング」が、金親敬寛という人間が、達成するべきミッションであると思った。

ここまで書くとわかるように、僕は、マーケティング、とりわけデジタルマーケティングにどハマりしたのであった。そして、就職先も、デジタルマーケティングの企業を選んだ。

この2社目でのインターンの経験は、僕を強くしてくれ、そして、生きる指針を見つけることができた場であった。自由に、のびのびと働かせて下さり、当初何もできない自分を受け入れて下さり、本当にありがとうございました。ここでの経験を活かして、活動してきます。

納涼船での集合写真

毎年恒例の納涼船

(大学時代の転機 #5「2度目の長期インターン」 終わり。)

いつもありがとう。