かねチャンの旅行記

”こんな世界もあるんだな”をお届中

Journey of self-discovery

大学時代の転機 #4「セブ島ゴミ山ツアー」【学生最後の日に思うこと。】

続いては4つ目。

4. セブ島ゴミ山ツアー
前節でも出てきたが、インターンの業務にも相乗効果があり、後に、僕のやりたいことを、行動に移せた場となる。

その団体を知ったのは、大学2年の3月頃。ユニークなのは、経営を学びながら、その知識を活動にアウトプットしていくというものだった。インターンをやっていたこともあり、経営、とりわけ事業におけるファイナンス面には関心があった。そして活動面では、海外にゲストハウスを作る事業と、ツアー事業をしていた。

そこで、この団体に所属して、経営戦略、マーケティング、PR、ファイナンスの4つを軸に学んだ。学んだ40の基礎項目があれば、ほとんどの世の中のビジネスモデルや、マーケティング戦略を、体系的に理解することができるようになっていた。

活動面では、団体で年に2回運営している、セブ島スタディーツアーに参加した。楽しさ×学びをコンセプトに、海外という非日常空間で、自己成長をしよう、というものだった。しかしはじめは、乗り気ではなかった。前年には、ゼミで東南アジアに行っていたし、インターンでビジネスもしているし、自分が対象ではないように思えた。参加者というよりは、むしろ運営側であっても良い気がしてならなかった。それでも、先輩に「金親くんは絶対に行った方がいい。」と押されて、しぶしぶ参加することに決めた。しかし、この時はまだ、夢への一歩を踏み出していることに、気づいてはいなかった・・

10日間の滞在のメインは、3日間の個人企画というものだった。これは、参加者各々が0から企画を考えて、セブ滞在の3日間で実行するというもの。ルールはなし。与えられた3日間、どう使うかは全て自由であった。

渡航2ヶ月前くらいから研修が始まり、運営メンターとともに、企画を考える。おそらく初めは、しょうもない企画を考えていた(その内容すら覚えていない)が、メンターとの自己分析を通して、「ツアーをやってみよう」となった。

話は、前年の今頃になる。ゼミでの海外研修旅行と通して、僕は2つのことを感じた。「自分は自分、人は人。幸せとは自分で感じるものである」と「一生に一度きりの人生を、やりたいことをやって、後悔なく楽しく生きたい」である。(大学時代の転機#2 参照。)

kaneeeetaka.hatenablog.com

後者からいくと、”やりたいことをやる”と考えた時、死ぬまでには仕事をする時間が大半を占めると思い、やりたいことを”仕事”にしたいと思うようになった。そこで、これまでの自分を振り返った時に、最も人生観が変わった経験だったのが、東南アジアで感じた2つのことー「自分は自分、人は人。幸せとは自分で感じるものである」「一生に一度きりの人生を、やりたいことをやって、後悔なく楽しく生きたい」ーだった。

他方、学科やサークルの友達を見ても、夢がある人はほとんどいなかった。僕も、東南アジアに行く前は、同じだった。そして僕は、東南アジアという非日常体験を通して、将来に向き合うきっかけを得た。だったら、”非日常体験を通して、彼らが夢を見つける原体験を作りたい!”と思った。この自己分析を通して、「スタディーツアーの中で、ツアーを作る」というユニークな個人企画が生まれた。過去50名ほど参加しているスタディーツアーらしいが、個人企画でツアーを作るというには、僕が初めてらしい。前代未聞の挑戦が始まった。

それから、ターゲットを考えて、コンテンツを考えた。時間が過ぎるのも忘れてしまうほど、没頭していたのを覚えている。自分の想いを、形にするチャンスが来たのだから!

そして、スタディーツアーが始まった。ツアー(個人企画の)の内容は、「セブの語学学校に通う日本人向けに、非日常を体験をする」ツアーである。具体的には、セブにあるゴミ山を訪問するというものだ。セブ島はごみ処理施設が追いついておらず、海辺には”ゴミ山”という文字通りに、ゴミの積もった山が続いている。参加者が、日本では見ることのないゴミ山を見て、何かを感じ、できればそこから行動を起こしてもらう、というのがゴールであった。

語学学校の守衛のおっちゃんと。集客手伝ってくれてありがとう。

集客に苦労しながら(語学学校をはしごしながら、3日間で80名近くに声をかけた)も、ツアー決行日には、4名の参加者が来てくれた。3人の日本人と、1人はタイ人だった。そして、ゴミ山に向かった。

フィリピン・セブ島のゴミ山

目の前に広がるゴミの山。近づくと、徐々にきつくなる臭い。彼らにとって初めて見るゴミ山だった。

帰りのジプニーで、彼らと色々話をした。2人は就活生ということで、すでに将来を見据えて行動をしていた。1人は一年生だが、芯のある生き方をしている子で、目的を持って語学留学に来ていた(最後のタイ人は社会人であった)。結果として、ツアーのゴールである「日本では見ることのないゴミ山を見て、何かを感じ、できればそこから行動を起こしてもらう」に対しては、すでに自ら行動を起こしている4名だったため、失敗であった。理想のターゲットに参加してもらえなかったからだ。

ただ、ツアー企画を通して学んだことは、2つある。

一つは、「やりたいことは、意外と簡単に行動に移せるものである」ということ。「海外でツアー企画をする」と聞くと、壮大なことのように聞こえるが、準備をすればできた。特に今回は、自分の想いを、行動に移した初めての経験だった。頭でっかちに考えて行動しないよりも、完璧じゃなくていいから、doすることの価値を学んだ。貴重な成功体験となった。

もう一つは、「想いは行動に移すことで、ゴールに近づく」ということ。今回のツアーは、目標に対しては失敗ではあった。しかしそこから、目標達成するには”何が足りないか”を知ることができた。今回は、理想のターゲットと、実際の参加者の相違。では、理想のターゲットに参加してもらうためには、どうすれば良いか、を考える。それが、僕の課題であることがわかった。

結果は失敗に終わったが、僕の中では、想いを行動にする、初めての成功体験となった。参加を渋っていた僕に、ゴリ押しして下さり、ありがとうございました。

帰国後色々と振り返り、一つ決心したことがあった。それは、次回のスタディーツアーを運営したい、ということだった。実際にセブでツアーをやってみたことで、ツアーは楽しかった。一方で、僕が価値提供したい対象は、”まだ将来について考え出せていない人”であった。そしたら、このスタディーツアーという非日常体験を通して、原体験を届けたいと思ったのである。即決である。

そして、運営になり、参加者の個人企画の作成に寄り添った。その人のバックグラウンドを書き出して、今どんなことを思っていて、今後どうなりたいのかを聞き出す。それを元に、やりたいこと、または克服したい点を共に考える。それを、企画という形に作り出す。このプロセスが、楽しかった。相談乗った相手には、「相談乗るの得意だね。みるみる話がでてきちゃうわ。」と言われる。

担当したある子は、”考えることはできるが、頭でっかちになりすぎてしまい、やりたいと思うことも、行動に移せない”、という悩みを抱えていた。そのため、彼女の思考という強みをより活かせるように、”行動力”を養ってもらいたいと考えた(思考×行動で、結果が生まれる)。そこで、彼女の関心分野である宗教を軸に、「フィリピン人の宗教観に関するアンケートをする」というものを共に考え出した。

実際に彼女は、フィリピンの炎天下の中、44人もの人からアンケートをとることに成功した。そして帰国後には、アンケート結果の報告会を、0から企画をして、開催していた。

これを聞いた時に、とっても嬉しかった。そして、「おやぶん(僕のこと笑)のおかげで、吹っ切れて行動できるようになった。」と言われて、心の底から嬉しかった。

しかし、僕は同時に、何か物足りないのを感じていた。
・ツアーだと、一度に価値提供できる人が少ない
・やりたいことではあるが、これを一生やり続けても、自分が楽しくなさそう。今の自分ができることを、やり続けるのは刺激がない。もう少し背伸びをしたい、できないことに挑戦をしたい
こんなことを感じていた。

逆にとれば、これらも、実際に行動したからわかったこと。想いを行動に移したから、より自分の理想像が明確となった。行動して間違いはなかった。

「観光という非日常体験を通して、何かしらの気づきを与えたい。」これは根底にあった。ただその時は、どんな手段があるか、思いつかなかった。その後、運命の出会いをするまでは・・

青春。今でも部屋の目につくところに置いてある。辛い時に頑張る糧

ゴミ山ツアー参加者たち。今頃何してるんだろう・・

タツア報告会にて。ゴミ山ツアーを80人もの前で発表させて頂いた。思うことは、今でも変わらない。

(大学時代の転機 #4「セブ島ゴミ山ツアー」 終わり。)

いつもありがとう。